人気アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデルとしても知られるイトーヨーカドー春日部店(埼玉県春日部市中央1)が11月24日で閉店することになった。26日、店頭の張り紙などで告知され、買い物客からは「不便になる」などと惜しむ声が聞かれた。
同店は1972年に春日部駅西口近くにオープン。96年に地下1階、地上5階建ての現在のビルで営業を始めた。食料品や衣料品、雑貨などを扱う大型総合スーパーとして人気を集めたが、近年は郊外店などに客足を奪われていた。
近くに住む女性(77)は張り紙を見て、「夕飯の買い物で毎日利用しているので困ってしまう。地域にとってもよくないこと」と驚いた表情。宮代町から来たという男性は「ここに来れば、着るものもそろうのでよく利用していたのだが……」と残念そうだった。
クレヨンしんちゃん人気で、近年は海外などからの観光客が訪れるスポットにもなっており、店舗3階には「サトーココノカドー」の特設コーナーも設けられている。
同市の岩谷一弘市長はコメントを発表し、「50年以上、市民生活や雇用を支え、憩いの場として愛されてきた。閉店は率直に残念だが、これまでの功績に深く感謝申し上げます」としたうえで、「事業の継承者を探すと聞いているが、従業員の雇用維持とともに市民生活に影響が少ない形で進むよう願う。市としても関係機関と連携しながら役割を果たしていく」としている。
セブン&アイ・ホールディングスは2023年3月に傘下のイトーヨーカドー店舗の再編計画を発表。首都圏でも店舗の選別を進めるとしており、閉店は経営効率化の一環とみられる。【萩原佳孝】
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