大津地裁、大津家裁、大津簡裁が入る庁舎=戸上文恵撮影

 滋賀県草津市立の小学校のグラウンド内で、小学生にぶつかられ、けがをしたとして、80代の女性が小学生と市に約725万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、大津地裁であった。池田聡介裁判長は、周囲への注意義務を怠ったとして小学生2人に88万3041円の賠償を命じた。

 判決によると、2019年11月、グラウンドで集団下校の指導を受けていた小学6年の男子生徒2人が追いかけっこをしていた際、下校後にグラウンドゴルフ愛好会での活動に参加するために来ていた女性とぶつかり、女性は転倒して太ももの骨を折るけがをした。

 判決で池田裁判長は「周囲に対する通常の注意を払っていれば女性の接近を認識するのは容易」と児童らの不法行為責任を認定した。一方、女性がグラウンドの中央を歩いていたことなどから認定した賠償額の6割を過失相殺した。また、教員や校長らは女性の進路など当時の状況を把握していなかったことから過失は認められないとして、市への請求は棄却した。【飯塚りりん】

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