「ハンドパワーで病気が治る」などと称して高額なセミナーの受講料をだまし取られたとして参加者らが損害賠償を求めていた裁判で、福岡地裁は、運営会社とその後継団体に約2400円の支払いを命じました。

テレビ西日本が入手した映像には、セミナーに参加する人たちが手をかざしている様子が映っています。

◆セミナー映像より
「目に見えない宇宙にあるエネルギーを私たちの媒体として送るってことだから私のエネルギーではないです」

「宇宙」や「エネルギー」などスケールの大きな言葉が並びます。

訴えによりますと、福岡県や佐賀県などに住む20代から70代までのセミナー参加者34人は、実際には存在しないハンドパワーなどがあるかのように装われ、受講料などの名目で高額な金銭をだまし取られたとして、セミナーの運営会社「アースハート」と、その事業を継承した「セントマザー」に合わせて約3500万円の損害賠償を求めていました。

24日の判決で、福岡地裁の林史高裁判長は、「ハンドパワー」を「客観的な科学的・医学的裏付けを欠くもの」と指摘。

セミナーなどへの勧誘行為を「社会的相当性を逸脱する違法な行為」と認定し、原告らの主張をおおむね認め、アースハートとセントマザーに、一部和解が成立した金額などを除く約2400万円の支払いを命じました。

アースハートに対してはこれまでも別の参加者たちへの損害賠償を命じる判決が出ていましたが、後継団体にあたるセントマザーに対し損害賠償を命じる判決が出るのは初めてだということです。

原告側の弁護団は「これからも被害者の掘り起こしを行っていきたい」としています。

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