深々と帽子をかぶり、うつむいたまま警察車両の後部座席に座る男。
神奈川・相模原市の北里大学病院で、内縁の妻を切りつけ逃走した末、道路交通法違反の現行犯で逮捕された48歳の男です。

事件発覚のきっかけは23日午前9時40分ごろ、病院の職員から寄せられた「刃物を持った男が院内をうろついている」という110番でした。

通報を受け警察官が病院に駆け付けると、左腕を刃物で切られ軽いけがをしていた36歳の内縁の妻を発見。

内縁の妻は警察官に「通院で病院に来たとき、内縁の夫に待ち伏せされて刃物で切りつけられた」と告げたといいます。

その後、男は刃物を持ったまま病院から逃走しましたが、通報から約1時間後の午前10時50分、道路交通法違反の現行犯で逮捕されました。

男が身柄を確保されたとみられる現場の様子を上空から捉えた映像では、多くの警察官が、男が乗っていたとみられる黒い車を入念に調べているのが分かります。

男の身柄が確保されたのは相模湖周辺。
現場となった北里大学病院から直線距離で約20kmも離れた場所でした。

男は約20kmにわたりパトカーから逃げ続けていたのです。

身柄を確保される瞬間、男は道路でうずくまっていたということです。

また、男が確保された現場近くに住む人は「11時ごろかな、サイレンが鳴ったもんで、それで表に出てみたらパトカーがいっぱいで。だから大勢で追いかけていたっていう感じありましたね」と当時の状況を語りました。

さらに、パトカーの追跡を逃れようと必死に走っていたように見えたと話します。

現場近くに住む人は「(男の車の)後ろを追いかけてパトカーが来たわけ、そしたら反対車線から来た車(パトカー)とどうも挟み撃ちになっちゃった感じで止まったんじゃないかと。追いかけられて、一目散に逃げていたんじゃないかと思いますけど。こんなところまで逃げてきたのかと思うと怖いですね」と話しました。

当時、男は14歳の娘も連れて逃走していましたが、娘は確保現場とは別の場所で保護されて無事でした。

警察の調べに、男は道路を逆走した道路交通法違反について「逃げるために違反した」と供述しています。

警察は、このあと身柄を別の警察署に移し、切り付け事件の経緯を詳しく調べる方針です。

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