隣接する埼玉県で男女平等の観点から県立高校の共学化を巡る議論が過熱する中、群馬県の山本一太知事は18日の記者会見で「全国的な少子化や県の人口動態、大きな時代の流れからすると共学化の方向に行くのだろう。ただ、それぞれの学校の伝統があり、いろんな考えがあるので、意見を聞いて丁寧に進める」と述べた。県によると、男女別学の公立高校は全国8県に残っており、県内は12校で埼玉と並び最多。
県は2021年3月、県民の理解を得ながら共学化を推進する基本方針を既に決定。少子化による学校統廃合の進展に加え、男女が共に学ぶ意義や学校選択上の制限をなくす、性の多様性に配慮するなどの背景を理由に掲げていた。
ただ、県内の男女別学高校はいずれも伝統校で、早急な共学化には強い抵抗が見込まれ、慎重に進める構えだ。いずれも県立の前橋、高崎、太田、沼田、館林、渋川の各男子高と女子校があり、このうち沼田高と沼田女子高は来年4月に統合・共学化するが、「一部の人は学校の伝統への愛情がすごく強く、これだけ流れができていてもすごく大変だった」(山本氏)という。
埼玉では女子差別撤廃条約違反の疑いがあるなどと県民の苦情を受け、県男女共同参画苦情処理委員が昨年、共学化を勧告したことで議論が起こった。群馬県によると男女別学高校は群馬が公立64校中12校、埼玉が138校中12校。栃木、千葉、鹿児島など6県は10校未満という。【田所柳子】
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