「東坊城のホーランヤ」の火祭り行事で、燃えさかるたいまつを担いで歩く人たち=奈良県橿原市東坊城町の八幡神社で2019年8月15日午後4時4分、藤原弘撮影

 奈良県橿原市東坊城町の春日神社と八幡神社に伝わる「東坊城のホーランヤ」(8月15日)の火祭り行事が熱中症の恐れなどから今年も中止されることが決まった。中止は2020年以来5年連続。同年3月、消滅の恐れがあり記録を残すべき国の無形民俗文化財に選ばれたが、指定後一度も実施されていないことになる。

 主催する奉賛会が、火祭り行事は中止し、非公開の神事のみ行うことを6月22日の会議で決めた。20~23年は新型コロナウイルス感染拡大が理由だったが、今年は「熱中症警戒アラート発表時の対策が不十分」が加わった。

 7月初めに連絡を受けた市によると、行事は日中、氏子らが巨大なたいまつを担いで両神社境内を練り歩くもので、参加者も見学者も熱中症のリスクが高い。来年以降は会場近くに「熱中症避難所」を設けるなどの対策を検討する模様だ。【皆木成実】

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