栃木県那須町で4月に会社役員の宝島龍太郎さん(55)夫婦=東京都千代田区=の遺体が見つかった事件で、警視庁と県警の合同捜査本部は18日、殺人容疑で逮捕された夫婦の長女で会社役員の宝島真奈美容疑者(31)=世田谷区=を死体損壊と死体遺棄容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。
事件を巡っては、真奈美容疑者の内縁の夫で、主導役とされる会社役員の関根誠端(せいは)容疑者(32)ら男性6人が夫婦に対する死体損壊罪などで起訴され、殺人容疑で再逮捕されている。
真奈美容疑者の再逮捕容疑は6人と共謀して、4月16日未明から朝までの間、那須町の山中の河川敷で、龍太郎さんと妻の幸子さん(56)の遺体に火を付けて損壊し、遺棄したとしている。
捜査関係者によると、真奈美容疑者は殺人容疑で逮捕された際、「知りません」と否認していたが、その後は黙秘に転じているという。
宝島さん夫婦は、東京・上野のアメ横近くの繁華街で約20の飲食店を経営。関根容疑者はうち数店のマネジャーを務めていたが、経営方針を巡って夫婦とトラブルになっていたとみられる。
真奈美容疑者は夫婦の経営する会社の取締役を1月に辞任し、事件後の5月、死亡した龍太郎さんに代わって代表取締役に就任していた。
捜査本部は、関根、真奈美両容疑者が飲食店の経営権を独占するために、夫婦の殺害を計画したとみている。関根容疑者は報酬と引き換えに指示役に夫婦の殺害を依頼し、それが仲介役や実行役に伝わったとみられる。
東京地検は18日、真奈美容疑者を夫婦に対する殺人罪で起訴し、関根容疑者ら男性6人を殺人罪で追起訴した。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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