大阪府から新型コロナウイルスの無料検査事業を巡る補助金およそ23億円をだまし取った罪に問われている元市議の男の裁判で、検察側は懲役3年を求刑しました。

■検査場運営の会社会長らと共謀 検査キットの仕入れ水増し 大阪府から約23億円だまし取った罪

岐阜県瑞穂市の元市議で医薬品卸会社「新日本薬品」の社長を務めていた松野貴志被告(49)は2022年に大阪府が実施した新型コロナの無料検査事業を巡り、検査場を運営していた「Star Seed(スターシード)」の当時の会長・中垣裕資被告(37)、役員・佐藤大介被告(37)、従業員・十亀綾香被告(34)らと共謀。

検査キットの仕入れ費用を最大2.5倍水増しした虚偽の書類を作成して提出し、大阪府から補助金およそ23億円をだまし取った罪に問われています。

これまでの裁判で松野被告は起訴内容を全面的に認めたうえで、「(中垣被告らの)『Star Seed』に相当額の検査キットの売掛金があり、それが回収できないと倒産するかもしれないと考え犯行に加担した」などと主張していました。

■検察側は懲役3年求刑 弁護側は執行猶予付きの判決求める

12日の裁判で、検察側は「市議会議員という立場にありながら、公金を詐取するのは言語道断。虚偽の内容の書類を作成し、別の会社へだまし取った金を送るなど犯行は計画的で悪質であり、松野被告が関与しないと成立しない犯罪であった」などと指摘し、懲役3年を求刑しました。

一方、弁護側は「大阪府への補助金交付の申請はすべてStar Seed側がしていた。
松野被告はStar Seed側の従属的立場にあり、反省の意を示しすでに大阪府に300万円を弁償している」などとして執行猶予付きの判決を求めました。

■「罪としっかり向き合いたい」と被告

求刑を受けて、松野被告は関西テレビの取材に対し「大変重い求刑だと思っています。罪としっかり向き合いたいと思います」と答えました。

判決は、9月20日に言い渡されます。

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