市議によるパワハラについての職員アンケート結果を森本政直議長(左)に手渡す田村克也市長=兵庫県三田市役所で、土居和弘撮影

 兵庫県三田市は11日、市議によるパワーハラスメントなどを問う職員アンケート調査の結果を発表した。管理職が対象で、ハラスメントを受けた経験は約4割が「ある」と回答、具体的内容については「威圧的な言動」が最も多く、「対応を罵倒された」が続いた。

 アンケートは、3月の市議会で「市議1人が幹部職員の人格を否定するような発言をした」との匿名の公益通報が市にあったことを受け実施した。市議(定数22)と接触が多い副課長級以上が対象で、6月に匿名扱いとなるオンライン調査をし、171人(97%)が答えた。

 ハラスメント経験があると答えたのは65人。具体的な行為を尋ねる(複数選択可、以下同じ)と、「威圧的・高圧的な言動・態度」57人▽「対応・回答に罵倒」39人▽「大声で叱責」30人――など。「その他」とした6人からは「特定の支援者の活動に対する補助金の創設を要求された」など不当要求を示唆する回答もあった。身体への暴力行為を示す回答はなかった。

 体調への影響では、「発汗・息切れなどのストレス反応」22人、「睡眠障害や不眠」14人など。ハラスメント後の対応は「上司に相談」が28人だった一方、「何もしなかった」が33人いた。ハラスメントを見聞きした経験があるのは91人(53%)だった。

 また、ハラスメントを経験した人と見聞きした人に議員の名前を聞いたところ、現職5人と元職3人の名前を挙げた。

 ハラスメント防止への対策は「議員の意識改革」が135人と最多で、「面談時の録音の許可」が74人、「第三者機関設置」は66人。

 田村克也市長は同日、アンケート結果を市議会の森本政直議長に手渡した。田村市長は「アンケート結果の内容は想像以上だ。放置してきた市当局にも責任があり、おわびしたい」と話した。市議会は、議員によるパワハラなどの防止条例の制定準備を進めている。【土居和弘】

〔神戸版〕

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