意識障害を起こしたドライバーの車に小学生がはねられ、死亡した事故。事故を防ぐことはできなかったのか…。過失運転致死の罪に問われた男の初めての裁判が開かれました。


 「自分が通った時、騒がしい感じがして自分がやった感覚がなかった」「子どもが倒れていて俺がやったのかなと思って、考えられなくなって座りつくした」(花田光夫被告)

 札幌地裁で開かれた初公判でこう語った、札幌市豊平区の会社員、花田光夫被告(64)


 5月16日、意識がもうろうとした状態でワンボックスカーを運転し、豊平区で横断歩道を渡っていた小学4年生の西田倖くん(9)をはね、死亡させた過失運転致死の罪に問われています。

 7月8日の初公判。検察側は糖尿病を患っていた花田被告が薬を使用したものの、食事をとらず、低血糖で意識障害に陥っていたことを明らかにしました。

 糖尿病はインスリン注射などで血糖値をコントロールしますが、服薬後には血糖値が低下するため、食事やブドウ糖を摂取しなければ意識がもうろうとなる可能性があります。

 「(低血糖になると)冷や汗が出たり手が震えたりする。患者の中には自覚症状がないまま、いきなり意識がもうろうとする“無自覚低血糖”になる人もいる。ご飯を取らないで薬を飲むのはやはり危険なこと」(苫小牧王子病院 三木隆幸 副院長)

 7月8日の初公判で花田被告は…

 「私自身は記憶にありませんが、現場検証の感じでは間違いないと思います」と、おおむね起訴内容を認めました。

 検察は「不規則かつ身勝手な判断で暴走事故を起こした過失は重大」だとし、懲役4年を求刑。弁護側は執行猶予を求めました。

 次の裁判は8月2日に行われます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。