京都の嵐山で屋形船が流され大破した状態で見つかりました。

船は木製で時代劇などでも活用されていたということです。

■大破した「屋形船」 船乗り場にロープ2本で固定 

京都市右京区の嵐山で鵜飼を運営する嵐山通船によると、4日の午前5時半ごろ散歩をしていた船頭が、渡月橋の下の川の中で真っ二つに折れた状態の屋形船を発見しました。

その後、さらに下流で屋根の部分と船体の残り半分も見つかったということです。

船は、上流の船乗り場に設置されたワイヤーにロープ2本で固定され、先端部分を川岸に上げた状態で保管されていました。

■「人為的に押し出さなければ船は流れ出ることはない」と社長

3日の午後6時半ごろ、船頭が川の水位を確認した際、岸よりも水位はおよそ40センチ低かったということです。

嵐山通船の小島義伸社長は「ロープは岸に設置したワイヤーに硬く結ばれていて、誰かがほどかなければ、ワイヤーから外れることはない」

「また、前方部分は岸に上がっているため、船を人が押し出さないと流れ出ることはない」

「しかも、当時14隻船を係留させていて、この船は、一番下流の流されにくい位置に係留させていた」

「既に埋まっている屋形船の予約もキャンセルしなければならず、許せない」と話しています。

■貴重な木製の船 「水戸黄門」や「必殺仕事人」といった時代劇でも活用された過去

大破した屋形船は、長さおよそ10メートル、幅およそ1.8メートルの16人乗りの木製でおよそ50年前に作られたものでした。

嵐山通船が所有する30隻の船のうち木製の船は2隻のみで、大破した船は客を乗せるだけでなく「水戸黄門」や「必殺仕事人」といった時代劇にも活用されていたということです。

小島義伸社長は「今、この船を作れる船大工はいない」と話しています。

嵐山通船は今後警察に被害届を提出する方針です。

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