災害関連死も含め28人が亡くなった熱海市伊豆山の土石流災害の発生から2024年7月3日で3年です。

被災地では午前9時から追悼式が開かれ、熱海市の斉藤栄 市長は伊豆山の復旧・復興にかかる事業を着実な推進や生活再建の支援を約束した上で、「二度と同じことが起こらないようにするためにも、国や静岡県をはじめとする関係機関とのさらなる連携を図って参ります」と述べました。

続いて、2024年5月に就任し、追悼式には初めての出席となった鈴木康友 知事が「避難生活を強いられている住民が安心して帰還でき、1日も早く穏やかな日常を取り戻せるよう努めて参ります」と被災者に思いを寄せ、不適切な盛り土行為に対しては「毅然と対応して参ります」と話しています。

齋藤市長と鈴木知事の挨拶全文は下記の通りです。

熱海市・斉藤栄 市長
未曾有の被害をもたらした令和3年7月3日の熱海市伊豆山土石流災害の発生から3年を迎える日に、ご遺族や関係者のご臨席を賜り、謹んで令和3年7月熱海市伊豆山土石流災害 犠牲者追悼式を執り行います。

伊豆山地区を襲った土石流の発生から3年の歳月が経ちますが、時を経てもなお最愛のご家族やご友人を失われた方々の悲しみは決して尽きることはありません。

この地に愛着を持ち、夢や希望を抱いて日々を過ごしていらっしゃった方々が、突然の災害により、そのすべてが奪われ、災害関連死を含む28名ものかけがえのない命が犠牲となりました。

ここに改めまして、この災害で犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。

発災以来、伊豆山被災地域において災害対策基本法 第63条に基づく警戒区域を設定し、立ち入りの規制を行って参りましたが、昨年3月に国直轄事業による新設砂防堰堤が完成し、また8月には県による不安定土砂の撤去が完了したことから、9月1日に同警戒区域を解除致しました。

その後、被災された方々の帰還が始まり、現在22世帯47名の方々が帰還され、少しずつではありますが被災地域に明かりが灯り始めております。

皆様に1日でも早く平穏な生活を取り戻していただくためには、河川・道路の整備など取り組むべき課題が多くありますが、着実に計画を推進していく必要があります。

昨年10月以降、被災地区を7ブロックに分けて開催した地区別説明会のほか、町内会別説明会を開催し、被災された皆様方と対話を重ねて参りました。

今後においても伊豆山復興まちづくり推進懇話会などの場を通じて、皆様のお声をしっかりお聞きしながら、伊豆山被災地域の復旧・復興にかかる各種事業を着実に進めて参ります。

あわせて皆様の生活再建をきめ細かく支援して参ります。

私たちは今回の災害の経験や教訓を後世に継承し、二度と同じことが起こらないよう努めていかなければなりません。そのためにも国や静岡県をはじめとする関係機関とのさらなる連携を図って参ります。

最後になりますが、地域の皆様と共に歩み1日も早い復旧・復興に全力を挙げて取り組んで参ることを改めてお誓い申し上げますと共に、ご遺族の皆様のご平安を心からお祈り申し上げ式辞と致します。

静岡県・鈴木康友 知事:
令和3年熱海市伊豆山土石流災害犠牲者追悼式にあたり、静岡県民を代表し謹んで追悼の言葉を申し上げます。

ここ伊豆山地区に甚大な被害をもたらした大規模な土石流の発生から3年の歳月が経ちました。この災害では関連死も含め28名もの尊い命が奪われております。

亡くなられた方々の無念さと最愛のご家族やご親族、大切なご友人を亡くされた方々の深い悲しみに思いを致しますと悲痛の念に堪えません。

ここに改めて衷心より追悼の意を捧げますと共に、被災されたすべての方々に心からお見舞いを申し上げます。

土石流災害の発生後、県では逢初川下流域復旧・復興チームを立ち上げ、砂防・河川・港・まちづくり等において、災害からの早期復旧に向けた取り組みを進め、現在、地域の皆様のご協力をいただきながら市道伊豆山神社線より下流側において逢初川の復旧工事を進めております。

地域の皆様には工事車両の通行などご不便をおかけすることと存じますが、避難生活を強いられている住民の皆様が安心して帰還でき、1日も早く穏やかな日常を取り戻せるよう努めて参ります。

引き続き、熱海市と共に被災された方々の生活再建と伊豆山地区の復興に全力で取り組むと共に、このような痛ましい災害が二度と起こらないよう安全な地域づくりを推進して参ります。

また、盛り土対策につきましては、盛土規制法が運用されるまでの間、現行の盛土条例による規制と監視を継続すると共に、不適切な盛り土行為に毅然と対応して参ります。

結びに謹んで御霊のとこしえに安らかならんことをお祈りし、ご遺族の皆様のご平安を祈念致しまして、追悼の言葉と致します。

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