建物見学ツアーで自ら設計した建物を説明する山本理顕さん=横須賀市で2024年7月1日午後3時21分、蓬田正志撮影

 神奈川県横須賀市は1日、横須賀美術館(同市鴨居)を設計した建築家で、「建築界のノーベル賞」といわれる米プリツカー賞を今年受賞した山本理顕(りけん)さん(79)を招き、祝賀セレモニーを開いた。山本さんは設計コンセプトとして「展示の場所ではなく、市民がコミュニケーションしたり出会ったりする場所として考えた」と語った。

 東京湾を望む美術館は、2006年7月に完成。潮風の影響を少なくするため、展示棟は二重壁を採用した。外側の壁は耐久性のあるガラスを用い、内側の壁には随所に丸穴を開けたことで、自然光が取り込まれるのが特徴だ。

 プリツカー賞を選定した米ハイアット財団は「建築を通して人々が集まり、交流する機会を生み出すことに成功している」などと評価。セレモニーで登壇した山本さんは、この点を横須賀美術館の設計でも大切にしたことを明かした。

 上地克明市長は「これからも多くの人に愛され、かけがえのないシンボルとして末永く輝くと確信している」と祝った。この日、無料開放された横須賀美術館では、セレモニーに先立ち山本さんによる建物見学ツアーもあり、大勢の客でにぎわった。【蓬田正志】

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