警視庁

 東京都新宿区歌舞伎町に集まる「トー横キッズ」と呼ばれる若者に販売する目的で、医薬品約1100点を持っていたなどとして、警視庁少年育成課は27日、港区東麻布2、無職、山下裕史(ひろふみ)被告(39)=都青少年健全育成条例違反で公判中=を医薬品医療機器法違反(貯蔵など)の疑いで再逮捕したと発表した。

 歌舞伎町の「新宿東宝ビル」周辺は「トー横」と呼ばれ、行き場のない未成年の若者らが集まり、市販薬を過剰摂取して興奮状態になる「オーバードーズ」(OD)で救急搬送されることが問題化している。山下容疑者は、OD目的の若者らに売るために医薬品を持っていたとみて調べる。

 逮捕容疑は2023年7月4日、販売目的で自宅に抗菌薬や鎮痛剤、せき止め薬など医薬品約1100点を所持。22年5月~23年5月ごろには、自宅や歌舞伎町の路上で男女3人(当時16~17歳)に抗菌薬や鎮痛剤計15点を譲り渡したとしている。黙秘しているという。

 警視庁によると、山下容疑者は「ヒロ」と自称し、遅くとも22年5月ごろからトー横で複数の少年や少女に医薬品を販売したり、譲り渡したりしていたとされる。医薬品を手に入れるため、都内の医院など数十カ所に通い、症状を過度に申告して処方箋を得ていたとみられる。警視庁は23年7月に自宅を家宅捜索し、医薬品約6000錠を押収していた。

 山下容疑者は23年7月、未成年の女児にわいせつな行為をしたとして都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕、起訴され、現在は公判中。【加藤昌平】

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