店主の江川雄造さん(中央)を囲む食堂「幸」の従業員=千葉県佐倉市で2024年6月14日午前11時28分、松尾知典撮影
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 体長約35センチの特大エビフライが2本も! JR総武線・佐倉駅(千葉県佐倉市)近くにある創業約50年の食堂「幸(さち)」は、刺し身や豚肉のしょうが焼きなど約20種類の定食を提供している。しかし、数あるメニューの中でも最も目を引くのは、天然の有頭エビ「シータイガー」(体長約35センチ)の特大エビフライ2本が皿に盛られる「ウルトラジャンボえびフライ定食」(税込み4300円)だ。

 ライス、みそ汁、おしんこが付き、テーブルにはナイフとフォークが運ばれる。厚さ約5センチの胴体にナイフを入れると、ぎっしりと詰まった白身が出現。口に運ぶと、サクサクとした食感とエビの風味が広がり、幸せな気分になる。頭部の殻に隠れたオレンジ色のエビミソも濃密な味わいだ。

エビの尾が皿からはみ出す「ウルトラジャンボえびフライ定食」=千葉県佐倉市で2024年6月14日午前11時43分、松尾知典撮影
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 店主の江川雄造さん(76)によると、現在使用しているシータイガーはバングラデシュ産で業者から独自ルートで仕入れているという。衣にもこだわりがあり、同県船橋市にある養鶏園の高品質の卵を使い、パンやケーキ作りに用いられる小麦粉を使用するなど素材を厳選。油も1日使い切りで常に新しい状態という。

 貿易会社に勤めていた江川さんは20代後半で脱サラし、裸一貫で現在の場所に店を開いた。当初は店内に閑古鳥が鳴き失敗したと感じた時期もあった。特大エビフライを提供するようになったのは創業約10年後で、市場関係者に「大きいエビを出してみては」と助言を受け、メニューに加えたところ評判を呼んだ。

食堂「幸」で使用しているバングラデシュ産の天然エビ「シータイガー」=千葉県佐倉市で2024年6月14日午前10時54分、松尾知典撮影
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 カウンターや座敷に40人ほどが入れる店内の壁には、数々の著名人のサインや写真が掲げられている。江川さんは「店に来てくれる人のために、自分が手に入れられるベストの素材を提供してきた。これからも一日一日、ベストを尽くすだけだね」と、はにかむ。【松尾知典】

 佐倉市表町3の14の1。JR佐倉駅から徒歩5分。午前11時半~午後2時、同5~9時。月曜定休。043・485・6596。

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