茨城県警本部の男性警部が旧ツイッター(X)で東野篤子・筑波大教授(国際政治)を侮辱した容疑で書類送検された事件を巡って、一瀬圭一県警本部長は26日、定例記者会見で「ネットリテラシーに関する教養に関しては各種の会議や学校教養の機会を通して行ってきた」と釈明した。懲戒処分状況などの詳細は「現時点で公表すべき案件はない」としてコメントを控えた。
そもそも、何があった?
東野教授は2020年5月から旧ツイッターを使用。教授によると、22年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、テレビ出演での解説を巡って中傷を受けることが増えたという。
23年5月、問題の投稿に気付いた。その後も教授の写真や名前に言及した同一アカウントによる直接的な中傷は続いた。教授が残した記録によると、卑わいな発信や「日本は英国、米国、中国、朝鮮の4重支配下」といった根拠不明の主張、筑波大を敵視する陰謀論的な投稿もあり、自身や大学、学生の安全を考慮し刑事告訴した。
「中傷には責任が伴うと示す意味も」
法的措置を取る中で相手が県内の警察官だと知った。「私の個人情報にアクセスした可能性もあると思うと怖かった」と東野教授。「放置しても中傷は止まらない。中傷には結果と責任が伴うと示す意味もあった」と話す。
捜査関係者によると、警部は23年5月に東野教授について「見た目からしてバケモノ」といった中傷を投稿した疑いで、24年6月18日付で書類送検された。投稿当時は生活安全部に所属し、異動を経て24年5月から警務課付。【西夏生、斉藤瞳】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。