三木楽器営業部長の磯部壮容疑者が不正に輸入しようとして押収された木材=大阪府警本部で2024年6月25日午後3時10分、小坂春乃撮影

 ワシントン条約で国際取引が規制された木材を密輸しようとしたとして、大阪府警などは25日、老舗楽器店「三木楽器」(大阪市中央区)の営業部長、磯部壮容疑者(47)=吹田市江坂町4=を関税法違反容疑(虚偽申告輸入未遂など)で逮捕したと発表した。逮捕は6日付。法人としての同社も24日に、同容疑で書類送検した。

 逮捕容疑は、絶滅の恐れがある「ツルサイカチ属」の木材1枚を1月30日、パラグアイから関西国際空港に空輸。条約で規制されていない木材だと虚偽申告し、輸入しようとしたとしている。空輸された木材計50枚のうち大阪税関関空支所が1枚を検査し、規制対象と判明した。

 府警生活環境課によると、ツルサイカチ属はワシントン条約で商取引が原則禁止されている。磯部容疑者は、輸入しようとしたのは同属の「ローズウッド」と呼ばれる木材と説明。ギターの部材にすると音質が良いとされ、「三木楽器のブランドギターとして使いたかった」と容疑を認めているという。府警は磯部容疑者が2018年以降に20~30回、密輸を繰り返したとみている。

 三木楽器のホームページによると、同社は1825年創業。府内を中心に楽器店や音楽教室を展開している。【小坂春乃】

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