B群の20代目トップに認定されたオオムギ=大分市神崎で2024年4月15日午後2時13分、神山恵撮影

 大分市の高崎山自然動物園は15日、B群の序列を確認するテストを実施し、オオムギ(雄、22歳)を20代目トップと認定した。オオムギはC群のトップだったこともあり、両群でトップ認定されるのは「伝説のボス」と呼ばれるベンツ以来約10年ぶり。担当職員は「目立つ存在ではなかったがようやく日の目を見た」と話した。20日に辞令が交付され、オオムギは正式にトップに就任する。【神山恵】

 テストは、序列がトップに近いとみられる2匹のサルの間に殻付きの落花生を投げ入れ、先に取った回数が多い方を優位とみなす。今回、雌で初めてB群トップに認定されたヤケイ(11歳)と序列2位のオオムギとの間で5回実施。うち4回、オオムギが取ったため、トップと認定した。

 オオムギはC群出身。2016年5月に11代目トップに認定された。だが、雌は近親交配を避けるためか、群れに長くとどまる雄を敬遠する傾向があるため、オオムギは約10カ月後にB群に移り、序列最下位から徐々に順位を上げてきたという。体格は群れで一番大きいが、優しく温厚な性格だという。

 B群は2021年7月、高崎山史上初めてヤケイが雌でトップに立ったが、23年5月にゴロー(雄、推定17歳)に交代。だが、C群の雌に好意を抱いたとみられるゴローは、同11月12日から姿を見せなくなった。

 通常は、トップ不在から約1カ月後には序列2位の雄をトップ認定する。だが、ヤケイが圧倒的な力を持っていたことや、冬の発情期は群れの力関係が流動的なことから、状況の推移を見守っていた。雄と雌との間でテストをするのは異例だという。

 結果について、藤田忠盛専門員は「オオムギは人間でいうと60代後半。ヤケイはまだ30代で、トップに返り咲く可能性もある」と語り、今後も両者の力関係を注視するという。

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