小江戸の風情を今に伝える埼玉・川越市。
人気の観光地で今、観光客の殺到により、狭い歩道に人があふれかえってしまう状況が問題となっている。
さらに、危険な横断も相次いでいる。

こうした問題を解決するため、川越市は、約1億2000万円を投じて、オーバーツーリズム対策に乗り出すことを決めた。

この週末、多くの観光客でごった返していたのは、蔵造りの町並みが今も残る川越一番街商店街。

そこで取材スタッフは、歩道が半分以上埋まってしまう様子を目撃。

江戸時代から道幅が変わっていないため、狭い歩道は、飲食店に並ぶ観光客で埋まってしまった。
歩行者は車道にはみ出さざるを得ない状況になっており、車は歩行者の横すれすれを走っている。

こうした中、新たな取り組みを始めた店もある。

店先から、おいしそうなにおいを漂わせていたのは、厳選したウナギを備長炭でじっくりと焼くかば焼きが人気の店。

行列が絶えないこの店にあったのは、整理券の発行機。
歩道に行列ができることを防ぐため、店が独自に30万円ほどかけて導入した。

うなぎ傳米・小林優仁店長は、「電話番号とメールアドレス、どちらでも呼び出すことが可能なので、外国人のお客さまでも呼び出すことが可能なシステムに変えました」と説明。

川越市は6月、行列ができる店に対して、整理券システムの導入費の補助などの支援を決定。
市議会に約1億2000万円の補正予算案を提案し、問題の解決を目指している。

整理券システムの効果はあるのか、取材班が店の前でウォッチングしてみた。

最も混雑する週末のお昼時ということもあって、歩道には、人だかりができている。
整理券を受け取ったにもかかわらず、今度は、多くの客が整理券の順番を店の前で待っていたのだ。

人であふれた歩道を避けるため、通行人が、次々と車道にはみ出してしまう状況に。
観光客のすぐ横をバスが走り抜けるひやりとする場面も見受けられた。
さらに、危険な横断も続出。

こうした状況に、観光客たちも「人が多すぎて歩くのもままならない。結構危ないですね」と、危険を感じていた。

川越市は、ベンチを置くなどして空き地を整備し、路上にあふれる観光客を誘導する実証実験を行う予定。

川越一番街商業協同組合・長島貴子理事長:
商店街には整理券の発行機を使って営業する方がいるが、まかないきれないぐらいのお客さまがいるなと思う。やはり商店街や行政だけでもなく、みんなの意見を集めて精査していく。

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