鹿児島県警の元幹部警察官が、内部情報を漏洩した罪で起訴され、この元幹部警察官から「不祥事を隠蔽しようとした」と名指しされた県警トップ・野川明輝本部長が会見し、「私が隠蔽を指示した事実はない」と述べ、隠蔽疑惑を改めて否定した。また捜査資料を記者に送付したことについても「公益通報ではない」と否定した。
鹿児島県警の前の生活安全部長・本田尚志容疑者は、警察情報を第三者に漏らした国家公務員法違反の罪で起訴されたが、現職警察官が盗撮容疑で逮捕された事件を県警トップのキャリア警察官である野川明輝本部長が隠ぺいしたと訴えていて、本部長はこれを否定している。
検察は21日、本田被告を起訴したが、本田容疑者の行為が「情報漏えい」なのか、組織の不正を通報する「公益通報」なのか議論となっている。
野川本部長は午後3時から会見を開き、「前生活安全部長による、隠蔽を図ったかのような発言は誠に残念」と述べた上で、「県民に不安を与えたことについて改めてお詫び申し上げます」と謝罪した。その上で、「私が隠蔽を指示した事実はない」と改めて隠蔽を否定した。
前生活安全部長が、鹿児島県警の警察官による盗撮事件について、「野川本部長は、『最後のチャンスをやろう』『泳がせよう』と言って、本部長指揮の印鑑を押しませんでした。本部長が警察官による不祥事を隠蔽しようとする姿にがく然とし、また、失望しました」と話した点については、「前生活安全部長が報告や指揮伺いに来た事実はない。最後のチャンスをやろう、泳がせようなどと言った事実はない」と否定した。
また警察官によるストーカー事案を隠蔽したとの前生活安全部長の主張についても、「事件化を望まないという被害者の話を受けて立件しなかった。職員には厳正な処分を行った。処分時に公表していないが、懲戒処分の指針では、今回の処分内容は公表すべきものとされていない」と説明し、隠蔽を否定した。
さらに、前生活安全部長が記者に送った資料については、本部長が隠蔽を図ったとの記載はなく、内容は前刑事部長の名誉を毀損するもので、ストーカー被害を受けた被害者の氏名や年齢が記載されていたと説明。こうした文書の内容から、「公益通報には当たらない」と結論づけた。
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