鹿児島県警本部=白川徹撮影

 鹿児島県警が内部文書漏えい事件の関係先としてインターネットメディアを家宅捜索し、データが入ったパソコンなどが押収された問題で、全国の新聞社などの労働組合でつくる新聞労連(石川昌義委員長)は19日、同県警と、家宅捜索を許可した裁判官に対し、抗議する声明を発表した。声明は「情報提供者のメディアへの信頼を守り、市民の『知る権利』と報道の自由を確保するために必要な『情報源の秘匿』が重視されてきた民主主義社会では許されない権力の暴走だ」などと非難する内容。

 家宅捜索を受けたのは、福岡市に拠点を置く「ニュースサイト ハンター」の男性記者宅。県警は4月、捜査に関連する情報を外部に漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で男性巡査長(当時)=同違反で起訴=を逮捕した。ハンターは2023年秋、独自入手したとする同県警の内部文書をサイトに掲載していた。

 また5月には、別の内部文書を漏えいしたとする国家公務員法違反容疑で、県警前生活安全部長の男性も逮捕された。その後、前部長が逮捕前に、ハンターで記事を執筆している札幌市のライターに内部文書を郵送していたことが明らかになった。前部長は鹿児島簡裁の勾留理由開示手続きで、動機について「県警本部長が不祥事を隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」と説明している。【斎藤良太】

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