秋田県鹿角市で5月、男性がクマに襲われ、その後死亡が確認された事案に絡み、捜索活動中だった地元の消防隊員1人が現場付近でタケノコ採りをしていたことが判明した。所属する鹿角広域行政組合消防本部は18日、この隊員を口頭注意したことを明らかにした。「早く見つけてほしい遭難者やご家族の心情を考えれば、職員としてあるまじき行為」としている。
捜索は十和田湖の南側、鹿角市十和田大湯の山林でタケノコ採りをしていた男性が行方不明となったのを受けて5月15日に開始。18日には男性の状態を確認しようとした秋田県警の警察官2人がクマに襲撃されて顔や腕などを負傷した。消防本部によると、この間の17日は豪雨で風も強く、隊員は長時間の待機を余儀なくされるなどしたという。
当時、捜索にあたった関係者の情報に基づいて消防本部が内部調査したところ、1人の男性隊員が申し出て、「捜索隊の現場本部の近くで少し採りました」と話したという。トイレに行く前に周辺を見たところ、タケノコが生えているのが目についたので採ってしまったとしている。
消防本部は隊員を6月14日付で口頭注意した。本田浩之・警防予防課長は「今後同じことがないよう、現場活動の時には要救助者やご家族の気持ちを考え、心情に配慮した言葉遣いや行動をするよう注意喚起した」と話した。【工藤哲】
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