栃木県真岡市内を走る真岡鉄道のSL=真岡市内で2017年4月15日午前10時54分、野田樹撮影

 真岡鉄道(栃木県真岡市)の50代男性運転士がアルコール検査で基準値を超える結果が出たにもかかわらず、観光列車「SLもおか」を運転していたことが18日、同社への取材で分かった。同社は男性運転士ら関係者を処分する方針。

 同社によると、男性運転士は4月20日朝、呼気検査で国が定める基準値(1リットル当たり0・09ミリグラム)の2倍程度の数値が2度検出された。検査には40代男性運転指令が立ち会っていたが、本来行うべき3度目の検査を実施せず、顔色や臭いで乗務可能と判断。記録簿には「0・00」と虚偽の数値が記載された。そのまま男性運転士は乗務し、下館―茂木間を往復運転した。同社は運行への影響はなかったとしている。

 今月5日、同社へ告発する内容のハガキが届き発覚。聞き取りに男性運転士は「前日午後8時までに350ミリリットルの缶ビール4本を飲んだ」と話し、検査前に洗口液を使ったと説明したという。同社によると、アルコール分を含む洗口液の使用後に基準値を上回ることがあるが、使用の有無に関わらず、基準値を超えた状態での運転には問題があったとしている。

 同社の上野公男専務は「公共交通機関として重大な違反で、大変申し訳なく思う。再発防止に向けた体制づくりに努める」としている。【池田一生】

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