カスハラのイメージ

 顧客による理不尽な要求など迷惑行為である「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題化する中、福岡市の警備会社「にしけいセキュリティサービス」がカスハラに特化した新たなサービスに乗り出した。元警察官のスタッフが駆けつけ、警備会社と警察の知識を生かして現場の負担軽減を目指す。

 カスハラ被害を受ければ、対応にあたる職員は業務への支障に加え、精神的に大きな負担を抱えてしまう。休職さらには離職に至るケースも少なくない。

 そこで乗り出したサービスの対象は、カスハラ被害が深刻化し、対策のニーズが高い病院や学校、自治体。これまでも不特定多数の人が出入りする病院などには警備員が常駐していたが、業務にカスハラ対応はなく、警備員は動けなかった。

厚生労働省が示したカスハラの主な類型

 サービスは、契約した病院などから非常時に連絡を受け、元警察官でハラスメントの知識を持ったスタッフが駆けつけて対応する。警察OBの知識を生かして、警察への通報の判断や報告書などを作成する。通常時もスタッフが巡回や職員への指導などを実施する。

 自身もハラスメント対策の資格を持つ川崎康弘社長は「小規模な病院などは対応が非常に大きな負担になっている。スタッフの経験を生かして安心できる職場づくりに寄り添っていきたい」と話している。サービスの対象地域など問い合わせは同社(092・261・2470)。【田崎春菜】

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