アフガニスタンの女性が置かれた状況について語るシャミームさん。来日中はヘジャブを外している=大阪市北区で2024年6月15日、鵜塚健撮影

 アフガニスタンで活動する女性人権団体のメンバーが15日、大阪市北区で報告会を開いた。同国で政権を握るイスラム主義組織タリバンによって、女性の権利が厳しく制限されるようになり、「私たちにとって悪夢であり、刑務所にいるようだ」と窮状を訴えた。

 報告したのは、日本の支援団体の招きで9日から来日中の「アフガニスタン女性革命協会(RAWA)」のシャミームさん(28)。

 2021年8月、アフガニスタンでは米軍の撤退に伴い、タリバンが再び政権を掌握。シャミームさんによると、女性は6年間の初等教育しか受けられなくなり、就労も厳しく制限されるようになった。イスラム教の教義に基づくヘジャブの着用もより厳格になり、髪を隠すだけのスカーフではなく全身を覆う黒いチャドルを着るよう求められるという。

 シャミームさんは抑圧的なタリバン政権に抗議する一方で、01年にアフガニスタンに侵攻して以降、21年まで駐留を続けた米軍についても「(国内の混乱につながり)結果的にタリバンの復権を招いた責任がある」と強く非難した。

 RAWAはアフガニスタンの女性の人権状況改善のため、現地の女性らによって1977年に設立。各地にある非公式の学校への支援のほか、医療支援や貧困家庭への食料支援を続けている。

 シャミームさんは「女性や子どもが置かれた状況は非常に厳しい。国から脱出する人も多いが、私たちは国内に残って社会変革のために闘う決意をした。これからもアフガニスタンに関心を持ってほしい」と参加者に呼びかけた。支援団体「RAWAと連帯する会」の事務局は東大阪市の桐生佳子さん(090・3656・7409)。【鵜塚健】

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