「足つぼの仕事に出合えて本当に良かったね」。那覇市のセラピスト竹本恵里香さん(45)の原動力は、母親ががんで亡くなる直前にくれた言葉だ。入院中の母の足裏を毎日刺激してむくみを和らげた。自身もサロンに通って押してもらい、肉親との別れが迫るつらさを癒やした。みとって8年。同じような境遇の人が家庭や病室でできる独自の足つぼプリント靴下と動画を作ろうと、クラウドファンディングで資金を募っている。(デジタル編集部・新里健)
竹本さんが母親の足つぼマッサージをしたのは、乳がんが膵臓(すいぞう)やリンパ節に転移して亡くなるまでの約1年間。当時の足裏は小石が埋まっているのかと思うほどこわばり、押すと痛がったが、次第に血流が改善した。母親は「体がぽかぽかする」と喜び、「今日は何時に来るの?」と催促するほどに。病状が進み意識がもうろうとした時も、尿量が増える効果があった。
2016年に母親をみとった後、足つぼの専門知識がなくても簡単に押せる方法を広めたいと思い立った。自身が手がける台湾式で5本指のプリント靴下を買おうと探したが見つからず、開発を決意。
東洋医学に基づく台湾式の足つぼは血液や体内エネルギーの循環を促し、5本指の靴下には指も丁寧に押せる利点や保温効果がある。小学生からお年寄りまで履けるように、サイズは22センチから作る。
解説動画は基礎編で腎臓や尿管、ぼうこうに作用して老廃物の排出を促すつぼの押し方を紹介。後半は睡眠不足や肩こり、腰痛など五つの症状別に実演する。
靴下と動画のセットで予定価格は税込み5千円。「指圧する手のぬくもりを通して、家族の絆を強めてもらえたらうれしい。将来はリモートで働く人や部活生などの体調改善に役立つオンライン講座も開きたい」と話す。
クラウドファンディングの目標額は靴下500足と動画の製作費計200万円で、7月18日まで募る。サイトはこちらから。
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