無償貸与されるスポーツ型電動アシスト自転車の総重量は約15キロで、他のスポーツ型より4割ほど軽い=raise提供

 生活習慣病などが原因の2型糖尿病の患者がスポーツ型の電動アシスト自転車「E―BIKE(イーバイク)」で通勤することで、病気の寛解を図る実証実験が、福岡市と九州大の職員を対象に始まった。九州大キャンパスライフ・健康支援センターが食事内容や血糖値の状態を定期的にモニタリングして、効果を検証する。来年3月末まで。

 イーバイクは利用者の踏み込み強度やペダルの回転数に応じて、アシスト機能を効率的に調整する。またスマートフォンのアプリと連動して、消費カロリーなどを把握。最大10人の参加者に約6カ月間の自転車通勤をしてもらい、最終的に、過去1~2カ月前の血糖値を反映する「ヘモグロビンA1c」などのデータを実験前と比較して効果を検証する。運動療法は、高血圧や脂質異常の改善も期待されるという。

 同市実証実験フルサポート事業の一環で、参加者には自転車通勤支援サービスの「raise(レイズ)」(福岡市)がイーバイクを無償貸与する。

 同社の日隈優輔社長(41)は「生活習慣病対策の手助けができたらいい。バスや電車の定期券のように自転車の定額利用を広げたい」と話す。同センターの山本紀子准教授は「糖尿病の治療は長期に渡り、モチベーションの維持が困難。日常生活に無理なく運動を取り入れることで、血糖コントロールに好影響を与えることが期待できる」とコメントした。【山口響】

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