写真はイメージ=ゲッティ

 北海道留萌(るもい)市の女子高校生(17)を橋から川に転落させて殺害したとして、北海道警は12日、旭川市の無職、内田梨瑚(りこ)容疑者(21)と同市の無職の少女(19)を殺人容疑で逮捕した。道警は内田容疑者が自身の画像をSNS(ネット交流サービス)上で高校生に無断で使われたことを契機にトラブルになったとみて、経緯を調べている。同様の事件は後を絶たず、専門家は「SNS(ネット交流サービス)の先に生身の人間がいることを想像して」と呼びかけている。

同様の事件の数々

 広島県呉市では2013年6月、LINE(ライン)上のやり取りで女子生徒(当時16歳)と口論になった少女が、仲間と共謀して金品を奪い、集団暴行の末に女子生徒を殺害する事件が起きた。

 こうした事例は若者だけにとどまらない。

 18年6月には、ネット上のやり取りだけで怒りを募らせた男に人気ブロガーが刺殺される事件が福岡市で発生した。19年4月にはSNS上の書き込みを巡ってトラブルになっていた堺市の50代女性の頭や顔を、特殊警棒で殴って重傷を負わせたとして、50代の男性らが殺人未遂容疑で逮捕された。

 20年5月にプロレスラーの木村花さん(当時22歳)がテレビ出演を巡るSNS上の暴言に苦しみ自殺するなど、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷が利用者を追い詰める事態も相次いでいる。

「他人の写真、勝手に載せないで」

 ネット上のトラブルに詳しい藤吉修崇(のぶたか)弁護士は「SNSへの書き込みや投稿はハードルが低く、一線を越えやすい」と指摘。「他人の個人情報や容貌が分かる写真は同意なく載せないことが重要だ。未成年のトラブルの防止のためには、家庭内で繰り返し注意点を教えるしかない」と話した。【片野裕之】

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