警視庁=米田堅持撮影

 指定暴力団山口組・旧五菱(ごりょう)会系ヤミ金融業者の元従業員らが摘発された事件で、違法な高金利で現金を貸し付けたとして、警視庁生活経済課は11日、横浜市西区中央1の無職、伊藤輝代子容疑者(51)を貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(超高金利)などの疑いで再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。

 捜査関係者によると、伊藤容疑者は多重債務者で、借金返済の代わりに、ヤミ金融の業務に協力していたとみられる。2018年11月ごろからは「のれん分け」される形で、独立してヤミ金融を営むようになったという。

 警視庁は、24年2月までに延べ約750人に違法な貸し付けを繰り返し、法定金利の約3・4~98倍にあたる約1800万円の利息を得たとみて調べている。一部は、旧五菱会系ヤミ金融業者の流れをくむ上位の指示役に渡っていた可能性がある。

 関係先からは、携帯電話やキャッシュカードなど数百点が押収されており、警視庁は他のヤミ金融業者に携帯電話などを用意する「道具屋」の役割も担っていたとみている。

 伊藤容疑者の再逮捕容疑は21年8月~22年10月ごろ、無登録で貸金業を営み、40代男性ら2人から、法定金利の13~98倍にあたる利息計88万4000円を送金させ受け取ったとしている。事件を巡っては他に、旧五菱会系ヤミ金融業者の元従業員、針谷恭輔被告(44)=東京都大田区大森北1=ら3人が貸金業法違反(無登録営業)などの疑いで逮捕、起訴されていた。【加藤昌平】

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