埼玉県越谷市内の市立中学校のPTA副会長だった女性が2021~23年度にPTA会費など約455万円を着服していたことが11日、関係者への取材で判明した。元副会長は「親族の借金返済や生活費などに充てた」などと説明したという。全額弁済しており、PTAは刑事告訴は見送る方針。
関係者や同校PTAなどによると、元副会長は約6年前からPTAの役員などを歴任。会計担当だった21年度以降は三つの口座の通帳とキャッシュカードを1人で管理し、現金の不正な引き出しを繰り返していたという。
23年度の決算時、別の役員らが通帳などを開示するよう求めたが元副会長は応じず、今年4月21日になって当時の会長らに不正を打ち明けた。通帳などを基に算定した被害額は約455万円に上る。
元副会長は決算報告書を偽造した上、監査を受ける際は「自宅に通帳を忘れた」などと言って通帳を開示せず、年度ごとに実施している監査をやり過ごしていたという。
5月24日に同校で開かれた臨時PTA総会で役員や校長が保護者に報告した。PTAは今後、役員経験者らで作る調査委員会の設置や会計マニュアルの作成など再発防止に取り組む予定。県警に相談していたが、全額が返済されたことなどを理由に刑事告訴を見送る方針だという。
同校の校長は「信頼を大きく損なうことが起きて大変残念。学校として、PTAの再発防止の取り組みに協力していきたい」としている。【安達恒太郎】
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