訓練中に周囲の様子をうかがうオオタカの陽姫=姫路市立動物園提供
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 姫路城内にある姫路市立動物園は、飼育していたオオタカの「陽姫(はるひめ)」(雌、年齢不明、翼を広げた長さ1メートル余り)が7日に死んだと発表した。同園は鷹匠(たかじょう)文化の継承・発信に取り組んでおり、飛行訓練を市民に公開したり、恒例の「姫路お城まつり」の大名行列に参加したりと市民に親しまれた。

 陽姫は2022年4月にスペインから来園し、放鷹(ほうよう)の技術を持つ飼育員の下で訓練をしていた。オオタカは警戒心が強く神経質で、展示のケージには「動じない心の訓練中です」と書かれたユニークな看板が掲げられていた。

 お城まつりには3年連続で参加。24年5月のまつりでは、鷹匠の姿をした飼育員が手にはめたグローブに止まって大名行列し、観客の注目を集めた。

 同月末から食欲が低下し、治療したが回復しなかった。肺炎を起こしていた。担当飼育員の水本真輔さん(43)は「臆病な性格だが本番に強いタイプで、大名行列では堂々とした姿を見せてくれた」と惜しんだ。

 姫路城下には「鷹匠町」の地名が残り、江戸時代には歴代の城主が鷹狩(たかがり)をたしなんだ。同園は飼育員らが放鷹を習得し、随時、園内で訓練を公開している。陽姫が死んだことによりオオタカはいなくなったが、タカの一種「ハリスホーク」3羽の訓練は継続する。【村元展也】

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