コケに覆われた庭に落ちたナツツバキの花=京都市右京区の妙心寺・東林院で2024年6月10日午前9時55分、山崎一輝撮影

 平家物語の冒頭で「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色」とうたわれたナツツバキを観賞する「沙羅の花を愛(め)でる会」が10日、妙心寺の塔頭(たっちゅう)・東林院(京都市右京区)で始まった。艶(あで)やかな緑のコケと、舞い落ちた純白の花のコントラストが参拝者を魅了している。23日まで。

 釈迦(しゃか)が入滅時に横たわったとされる沙羅の木はインド原産の熱帯樹。国内では育たないため、平家物語が書かれた当時から、花の特徴が似たナツツバキが沙羅双樹と呼ばれていたという。

 朝に咲いて夕方には多くが落ちてしまう花は、はかなさの象徴ともされてきた。そんな「一日花」に世の無常を重ね合わせ、命への感謝を思い起こしてほしいと毎年公開されている。

 午前9時半~午後4時(入山は午後3時半まで)。抹茶と菓子付きで1600円、抹茶と菓子、精進料理付きで6100円。問い合わせは同院(075・463・1334)。【写真・文 山崎一輝】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。