能登半島地震の被災地・石川県を応援しようと、伝統的な工芸品や名産品を販売するイベントが神奈川・横浜市で開催されている。

復興を目指す職人たちの思いを聞いた。

横浜高島屋には、石川を代表する伝統工芸品がずらりと並んでいる。
輪島塗や九谷焼、加賀繍など、被災地・石川県の伝統的工芸品や名産品を販売するイベントには、熟練の技を受け継ぐ6つの工房から職人らが参加した。

訪れた人は「けっこう色鮮やかでいいですよね」「長く使えるものがあったらいいかな」などと話した。

会場には、震災で割れた九谷焼の破片を使って作ったアクセサリーも販売されている。

こうした工芸品や名産品の産地が数多くある石川県だが、最大震度7を観測した輪島市では、輪島塗の工房の多くが壊滅的な打撃を受けるなどし、復興には長い時間がかかるとも言われている。

会場で熱心に輪島塗を説明するのは、その道30年の職人・坂口漆器店の坂口彰緒さん(50)。

坂口さんは「(輪島塗は)約1年ほどの制作時間がかかる。(購入者の)ニーズが少しずつ変わってきたり、現代の蒔絵(まきえ)の好みだったりとかもあるので、(輪島塗も)少しずつ変わってきている」と話す。

坂口さんは2024年1月、年始回りの途中で震度7の激しい揺れに襲われた。

2階建ての自宅は1階部分が潰れるなどしたが、奇跡的にけがなどはなかったという。

坂口さんは地震発生当時の様子について、「立っていられない。座ると転がる、そのくらいの揺れだった」と語った。

工房も半壊したため、現在は活動の再開に向け資金集めなど準備を始めているという。

坂口さんは「震災で生き残っている商品たちを一つでも購入いただいて。そうしていただくと、我々も次の作品を作る上での資金になるので、そうすることで職人さんたちを守ることができる」と話す。

主催する横浜高島屋の企画宣伝部・森雅聡次長は、開催の狙いについて「復興はまだまだ道半ばということで、石川県の工芸品や食を幅広く紹介すべく、石川県を応援しようフェアを実施しました」とコメントした。

首都圏で広がる被災地支援イベントは、11日まで開催している。

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