殺害された新庄博志さんの自宅の前には、花が手向けられていた=大津市で2024年6月8日午後2時56分、中川祐一撮影

 大津市の民家で5月下旬、保護司の新庄博志さん(60)を殺害したとして保護観察中だった飯塚紘平容疑者(35)が逮捕された事件で、飯塚容疑者の観察は7月に満期を迎える予定だったことが、大津保護観察所への取材で明らかになった。宮山芳久所長は報道各社の取材に「トラブルは把握していない」と語った。

 飯塚容疑者は6年前に関与した強盗事件で保護観察付き執行猶予判決を受けた。保護観察の期間は2019年7月10日~24年7月9日で、新庄さんは飯塚容疑者の判決確定直後から一貫して担当だった。

 滋賀県警や大津保護観察所によると、保護観察中の面接は月2回程度実施されるのが一般的で、飯塚容疑者は直近では4月11日と同25日、5月7日に新庄さんの面接を受けていた。新庄さんが亡くなったとみられる24日も面接の予定が入っていたという。

 宮山所長は「2人は毎月会っていた。最初から一貫してトラブルがなく推移していたので、関係性に問題はなかったと認識していた」と説明した。

 滋賀県警によると、飯塚容疑者は5月24日夜以降、大津市仰木の里東6の新庄さん宅で、新庄さんを鋭利な刃物で襲い、出血性ショックで死亡させた疑いが持たれている。凶器は特定されていない。「私はやっていない」と容疑を否認しているという。

 新庄さんの遺体は26日、自宅を訪れた親族が発見した。県警はこの2日後の28日深夜、現場近くでナイフを持ち歩いていた飯塚容疑者を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕していた。県警は飯塚容疑者の詳しい動機について捜査を進めている。【岩本一希、斉藤朋恵】

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 毎日新聞は前科の報道について慎重に判断していますが、今回は保護司と保護観察対象者の関係性を考慮し、事件の重要な要素として報じました。

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