焼け落ちた骨組みなどは未だ手つかずに残されている。福島県いわき市の繁華街で起きた火災からまもなく2週間。行政も復旧の支援に向け動き出している。

「これみんな木造ですもん、昔のあれ(建物)だから」
大森敏男さん。管理するビルは窓ガラスや壁、看板にまで火の手がまわった。
「ここから消火したんですよ、消防隊」

<13棟・37のテナントが被害>
いわき市平字田町の繁華街で5月26日に起きた火災。
建物13棟を焼き、飲食店など37のテナントが被害を受けた。
あの日からそのままに残された大量の瓦礫。被害の長期化を懸念している。
大森さんは「これではちょっと整地するの大変じゃないかなって思うね」という。

<いわき市は対応策を模索>
火災現場の復旧を今後、どう進めるか?いわき市は対策チームを立ち上げ検討している。いわき市産業チャレンジ課の荒木学課長は「歩行する方々の安全を確保しなければいけないというところで、そこはできるだけ早くバリケードの設置であったり、目隠しシートの設置だったり、そういったことは早く即急に対応したいと考えています」と話す。しかし、自然災害との違いが壁となっている。
「(火災は)公費の支援の枠組みが無いというところが非常に難しいところでして。寄り添うっていう面と、なかなか法的な面で難しいと、そういった歯がゆさはございます」と荒木課長は言う。
市は税の減免など支援制度をまとめたパンフレットを作成。商工会議所とも連携しながら、官民でできる最大限の対応策を模索している。

<営業再開した店主は>
「黙っててもしょうがないでしょ、やらないと」と語るのは、タコス店を営む八尋英憲さん。「(元々のお店は?)これ」「(青い看板のところですか?)残ったのはこの看板と、それだけ・・・」
店は全焼し、現在は向かいにあるスナックの一部を借りて、営業を再開している。八尋さんは「みんなが助け合わないといけない。なるようにしかならない。何とかなるから毎日一生懸命生きれば」と話す。
元の生活と賑わいを取り戻すためにできることを。そのためにきょうもお客さんを迎える。

<火災現場はいま・記者報告>
徐々に飲食店の明かりが灯り始めている。ただ、火災があった現場は、通り抜け禁止の看板が設置され、焼け跡はほぼそのまま。まだ焦げた臭いも感じる。
焼け落ちた骨組みなどが道路の一部を塞いでいるが、行政ができることは道路の安全を確保するためのバリケードの設置などで撤去はできないというのが現状だ。

ーー被害に遭われた飲食店の関係者などはどう向き合っている?
別のテナントで営業を再開した飲食店もある。「支援してほしいのが一番だけれど、それが難しいのも理解している」などと話し、前向きに頑張っている印象を受けた。
被害を受けた建物の解体や整地はまだまだこれからで、復旧までは時間がかかりそうだ。

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