中学受験を最初に考えたのは…

 中学受験することを最初に考えたのは誰なのか――。首都圏を中心に教室を展開する進学塾「栄光ゼミナール」が16日、こんな調査結果を発表し、「母」が4割超を占めて、「父」と「子供本人」を抑えて最多だった。専門家は「母親には子供の友達が塾に入ったなどの情報も入ってきやすいため、中学受験に関心を持つ機会が多いのでは」と分析する。

 調査は同塾の首都圏を中心とした教室に在籍し、2024年度入試で第1志望が私立・国立中学の親子と、第1志望が公立中高一貫校の親子を対象に、1~2月にインターネットで実施。私立・国立は子供(260人)と保護者(300人)、公立は子供(92人)と保護者(104人)が回答した。

 最初に中学受験をしようと考えた人は、私立・国立では「母」が48・7%で最も多く、「子供本人」27・3%、「父」20・7%と続いた。公立中高一貫校でも「母」は45・2%で最多となったが、「子供本人」も40・4%に上った。

 公立中高一貫校の志願者が勉強を本格化させるのは小学5年で、私立・国立よりも遅い傾向があることから、同塾の広報担当者は「自分自身で意思決定ができるようになり、子供の意思がより反映されやすいのではないでしょうか」と話した。

 過去の調査でも受験を最初に考えたのは「母」との回答が多い傾向が続いてきた。中学受験に詳しい森上教育研究所(東京都千代田区)の森上展安所長は、日本では共働き世帯でも育児時間の平均は女性の方が長いとされる点に触れ、「子育てに携わる時間が父親よりも長い母親は、子供の友達や学校の先生との関係などからさまざまな情報に触れますが、父親には断片的な情報しか入ってこないことも一因ではないでしょうか」と分析する。

森上教育研究所の森上展安さん=東京都内で2023年9月27日午前11時28分、御園生枝里撮影

 この春進級し、志望校選びを始める家庭も多いだろう。では、志望校の決定はいつすることが多いのだろうか。

 調査の結果、私立・国立の受験者は▽「小6の夏休みに入る前」33・5%▽「小6の夏休み以降」31・9%▽「小5」26・9%――の順だった。

 一方、公立中高一貫校は居住地が受験資格で定められており、選択肢が限られるため、ちょうど半数が小学5年と回答。私立・国立よりも早い傾向が見て取れた。

 志望校や併願校を主に決めたのは誰かという質問では、私立・国立は「子供」が48・0%、公立中高一貫校では50・0%に上り、いずれも「父」と「母」を上回り、子供が主体的に決めているようだ。

 また、志望校選びで受験生が重視した点(複数回答)は、学習面では私立・国立、公立中高一貫校とも同様の傾向がみられ、「学校の教育方針・校風」が最多だった。

 学習面以外では、私立・国立が「在校生の雰囲気」が最多となった一方で、公立中高一貫校は「文化祭などの学校行事が盛ん」がトップだった。【御園生枝里】

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