物心がついた頃から絵が大好き。20世紀美術の巨匠、パブロ・ピカソの名作と出合った7歳で、本格的にキャンバスに向かうようになった。毎日のように新作を生み出し、創作の様子を捉えたインスタグラムの動画は175万回以上再生され、大きな反響があった。「ピカソに作品を見てほしい」。そう意気込む沖縄アミークスインターナショナル小学校3年の島袋明志(あかし)さん(8)=宜野湾市=は15、16の両日、那覇市の県立博物館・美術館で自身2回目の個展を開く。(文化事業部・知花徳和)

 当初はペンで段ボールやスケッチブックに描く程度だったが、神奈川県箱根町の彫刻の森美術館でピカソ作「三人の人物」などと出合い、「ピカソのように描く」ことにのめり込んだ。現在は自宅の和室をアトリエに、毎日のように創作に励み、わずか1年ほどで200点近くを生み出した。

 

 ビー玉、木、ローラー、乾電池…。絵筆だけでなく多彩なアイテムを用いて市販のキャンバスを彩っていく。一つの作品にかける時間は10分から30分ほど。最近は「固まる感じがいい」とアクリル樹脂がお気に入りで、凹凸のある立体的な表現にも取り組む。

 昨年12月、沖縄市のホテルで開いた初の個展で80点を発表すると、250人以上が訪れた。ことし1月「次は美術館だ」と意を決し、準備を始めた。

 金のキャンバスに青と白のコントラストが鮮やかな抽象画「スキー場」は、ちりとりを絵筆代わりにした。創作風景はインスタグラムで175万回以上再生され、「感性最高すぎる」「可能性の塊」「自由な発想うらやましい」などのコメントが付いた。

 制作会社を経営する父武志さん(51)と母由希さん(41)は明志さんの活動を後方支援する。子どもたちの才能を伸ばし、その過程を情報発信していく「スタージャンプ沖縄」プロジェクトを企画。子どもの作品を取り入れたグッズを販売し、創作活動で利益を得ることで「お金」に対する知識も体験させる計画だ。

 2回目となる今月の個展では未発表の約80点を展示する。明志さんは目を輝かせ「ピカソになる」ときっぱり。それは憧れではなく、明確な「目標」だ。

 個展は県博にある県民ギャラリー3で午前10時から午後3時。入場無料。8~16日は県博のミュージアムショップ「ゆいむい」で自身の絵がプリントされたグッズも販売する。明志さんの創作活動を紹介する「スタージャンプ沖縄」のインスタグラムはhttps://www.instagram.com/star_jump_okinawa/

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