岩手県一関市が発注した水道工事に絡む贈収賄事件は、元職員の逮捕から6月4日で1週間です。
一関市は事件に関わった永沢水道工業を指名停止する方向で準備を進めています。

この事件は2019年5月から約3年の間に、一関市水道部の幹部職員だった那須野長己容疑者(59)が、入札の情報を漏らした見返りに業者から20数万円分の飲食の接待を受けたとして加重収賄などの疑いで逮捕されたものです。

その接待をしていたとされる一関市の永沢水道工業の元役員・千葉敏郎容疑者(68)も逮捕されています。

警察は、2人の認否について捜査に支障があるとして明らかにしていません。

警察によりますと、那須野容疑者が入札の情報を漏らしたとされる水道工事は5件で、このうち3件は永沢水道工業が落札しています。
その入札調書によると、2件は予定価格の99%以上で落札されていました。

こうした極めて高い落札率について、一関市の佐藤善仁市長は3日、次のような見解を示しました。

一関市 佐藤善仁市長
「(落札率について)高いかどう感じているかは、他市と比較しないと軽々には論評できない」

一方永沢水道工業と同じ入札に参加した業者は、岩手めんこいテレビの取材に対し「落札率が99%になることはまれにあるが、続けてはめったにない。みんなが接待やっていると思われると困る」と話しています。

佐藤市長は警察の捜査終了後に、市としての調査を行う意向を示しました。

一関市 佐藤善仁市長
「水道・下水道の当時と今で関係していた職員に対する聞き取りを、警察が終わった後に市としてやっていく」

また一関市は、全職員に対し業者との付き合い方について注意する通知を3日付で出したほか、永沢水道工業を近く指名停止とする方向で準備しているということです。

警察は事件の全容解明に向け引き続き捜査しています。

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