長野県の北信保健所管内の高校の調理実習で調理した食事を食べた生徒4人が下痢、発熱などの症状を訴えました。検査の結果、保健所はカンピロバクターによる食中毒と断定しました。

5月27日午後5時頃、高校から「調理実習に参加した生徒のうち男女4人が下痢、発熱などの症状を訴えている」旨の連絡が北信保健所にありました。

4人は5月22日に高校の調理実習で調理した食事を食べ、5月23日午後1時頃から下痢、発熱、腹痛、頭痛などの症状を訴えたということです。

検査をした結果、保健所はカンピロバクターによる食中毒と断定しました。

主なメニューは鶏肉のくわ焼き、小松菜のごま和え、澄まし汁です。

4人はすでに快復したということです。

県は次のように、注意を呼びかけています。

【カンピロバクターの特徴】
カンピロバクターは、ニワトリ、ウシ、ブタなどの腸管内に存在しています。これらの家きん、家畜を、食肉として解体する際に、処理された食肉の表面を汚染すると考えられています。中でも鶏肉は高率にこの菌に汚染されており、文献等によると市販されている鶏肉の汚染率は 20~100%と言われています。

熱や乾燥に弱く、常温の空気中でも徐々に死滅しますが、他の食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴があります。

食肉を生や加熱不足で食べることにより発生することが多く、特に注意が必要な食中毒原因菌です。

また、野生動物などに汚染された沢水や井戸水などにおける消毒の不備による水系感染があります。

【症状】
潜伏期間は、1~7日(平均2~3日)と長く、下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れます。

また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されており、重症化した場合には死亡することもあります。

特に幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがありますので、注意が必要です。

【予防方法】
鶏肉などを調理する際は、十分に加熱調理し、生や加熱不十分な状態(鶏わさ、タタキ等)では食べないでください。また、生肉を扱った手やまな板、包丁などはカンピロバクターが付いている可能性があり、きちんと洗浄・消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがあります。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒してください。

焼肉などをするときは、生焼けに注意するとともに、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けてください。

沢水や井戸水を使用している施設では、衛生管理を徹底し、塩素消毒が実施されていることを確認してください。

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