独自取材でニュースを深堀りするコーナーシンソウ。8回目は、相次ぐ用水路への転落事故についてです。注意すべき用水路の特徴や対策を取材しました。

用水路から引き上げられた子供用の自転車。5月11日、岡山市南区の用水路に近くで遊んでいた5歳の男の子が自転車とともに転落し、男の子はその後、死亡しました。

岡山市消防局によりますとこうした用水路などへの転落事故は市内で2023年に103件発生していて、2024年は4月末までですでに41件に上ります。

なぜ、用水路への転落事故が後を絶たないのか。シンソウは岡山市の地理にも関係しています。

岡山市は、特に南部がもともと干拓地であると同時に、0.5ミリ以上の雨が降る日が年間で最も少ない「晴れの国おかやま」の中心地です。農業を支えるため多くの用水路が整備され、総延長は約4000キロ。対策が追い付かないのが現状です。

(長尾龍希アナウンサー)
「岡山市南区にあるこちらの用水路。今年(2024年)2月まではポールが立てられていましたが、現在は転落防止の柵が設置されています。」

市は地域住民から危険な用水路について要望を聞き取り、2016年度から7年かけて約2500か所を整備。今後も要望のあった場所を中心に柵を設置するなどの対策を施します。

次のような用水路には特に注意が必要です。
1、 狭い道路に隣接している。
2、 道路の進路上にある。
3、 同じ方向の道路をつなぐ橋にある。
4、 カーブの外側にある。

また、周りが暗かったり、雨が降り、水位が上がった時には転落の危険性がさらに高まります。

(岡山県警 大場優香交通事故抑止対策官)
「夜に明かりがないと道路と用水路の区別がつきにくくなって、誤って用水路に転落してしまうことがある」

未だ対策が施されていない用水路が多い中、近くを通る人1人1人が注意力を高めること。それが最も効果のある事故対策と言えそうです。

(岡山県警 大場優香交通事故抑止対策官)
「夜間、用水路の近くを通るときは、ライトをつけて転落に注意。自転車の人は、万が一転落したときのために、必ずヘルメットの着用を」

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