炎を上げる太陽光パネル=令和元年9月9日、千葉県市原市

15日に仙台市青葉区のメガソーラー(大規模太陽光発電所)で火災が発生したが、最近は国内で同様の火災が相次いでいる。3月27日には、鹿児島県伊佐市のメガソーラーで大規模な火災が発生が起きたばかりだ。脱炭素社会実現に向けて太陽光発電を含む再生可能エネルギーの需要が高まる一方、発電装置をメンテナンスする人員不足も課題とされており、さまざまなリスクが浮き彫りになりつつある。

伊佐市のメガソーラーの火災では、消防隊員4人が負傷し、鎮火に20時間以上を要した。 リチウムイオン電池を用いた装置が置かれた倉庫が火元で、感電などの危険があり、放水など一切の消火活動が行えなかった。

令和2年12月には、山梨県北杜市のメガソーラーでも火災が発生。近くの住民から「太陽光パネルの下の草が燃えている」と消防に通報があった。専門家は「メガソーラーの下の雑草などを生い茂った状態で放置していた場合、機器の不良で発生した火花が燃え移るリスクが高い」と指摘する。こうした火災のリスクを未然に防ぐには、メガソーラーを設置している広大な土地の雑草処理も欠かせないという。

元年9月に千葉県市原市の水上メガソーラーの火災は、台風で損壊した場所から発火したとされる。同メガソーラーはため池の水面に設置されていた。ソーラーシステムに使われている一部の機器内に水が浸入し絶縁不良などで火災が生じる可能性もあるという。

一方でこうしたリスクに対応する人材不足が懸念されている。経済産業省などは、太陽光発電を含む再生可能エネルギーシステムの「セキュリティーに精通した人材が確保できていないことなどの課題もある」と指摘。全国各地に地域の太陽光発電事業を支えるメンテナンスの担い手の確保の必要性を強く訴えている。(西村利也)

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