6月に入り、県内の河川ではアユ釣りのシーズンを迎えます。2年前の豪雨災害で被害が出た南越前町の川では3日、復興を象徴する稚アユの放流が行われました。地域の復活を願う地元住民を取材しました。
          
33世帯の小さな集落、南越前町の赤萩。2年前の8月、豪雨によって集落を流れる「河野川」が氾濫して濁流が辺りを飲み込み、33世帯のうち半数以上が床上浸水などの被害を受けました。当時、小角譲元区長は「こんなところまで土砂が流れ込んできている。立ったら埋まってしまう」とぼうぜんと語っていました。
 
当時被災した住民も「川から水が入ってきて、農作業小屋があったがつぶれて流れた」「あんなに怖いもの初めて。どうしようかと思うぐらい」と話していました。
 
豪雨により、透き通った清流で人気のアユ釣りスポットは、かけ離れた姿に。河野川漁業協同組合の酒井享組合長は「濁ってコケが生えない。アユはコケを食べて成長するが、コケがないのでアユは大きくならない」と嘆いていました。
   
河野川の護岸工事は、県や町あわせて約6億2000万円をかけて進めていて、2025年の春には完了する予定です。

田島嘉晃アナウンサー:
「豪雨からまもなく2年。茶色く濁っていた川の水は”透き通った清流”の姿を取り戻しました」
 
3日に放流されたのは、アユとヤマメの稚魚合わせて約1万2500匹です。放流した小学生たちは「アユがいっぱいいてすごかった。前は(水が)茶色かったけど今は透明。前よりもきれいな川になってほしい」と話します。
 
河野川漁業協同組合の酒井享組合長は「川がきれいになって、今年は期待している」と笑顔で話し、小角譲元区長も「川がきれいになっていくが、これからが大変な時。人間が暮らす空間をより住みやすいような形にしていく。色んな人の力も借り、生き物の力も借りて復興復旧を果たしていけたら」と力を込めて話してくれました。 

豪雨災害からもうすぐ2年。地域の再生へ、一歩一歩近づいています。 

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