愛媛県大洲市の夏の風物詩「大洲のうかい」が1日、市内を流れる肱(ひじ)川で始まった。かがり火が川面を照らす中、鵜匠(うしょう)が鵜を巧みに操る姿に屋形船の乗客ら約110人は見入っていた。
大洲のうかいは、長良川(岐阜県)、三隈川(大分県)のうかいとともに「日本三大鵜飼(うかい)」の一つに数えられる。大洲市観光協会によると、江戸時代には大洲藩でも鵜を使った漁法が行われていたといい、明治以降、衰退していったものの1957年に観光事業として復活した。
2019年の観覧客数は3618人だったが、新型コロナウイルスの影響で開催期間の短縮や人数制限を余儀なくされ、21年は過去最低の643人を記録。コロナによる規制がなくなった23年は3477人で、コロナ禍前の水準に近づいた。24年は4000人の集客を目指している。
今季の初日となった1日は、鵜匠との息の合ったコンビネーションで鵜が水中に潜り、アユなどをくわえて顔を出すと乗船客から歓声が上がった。鵜匠の井上利和さん(58)は「鵜との距離の近さを感じながら食事をしつつ、2時間の船旅をゆっくり楽しんでもらいたい」と話した。
9月20日まで。問い合わせは大洲観光総合案内所(0893・57・6655)。【山中宏之】
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