多くの観客が集まった泣き相撲大会=静岡県沼津市大塚の長興寺で2024年6月2日午前11時25分、石川宏撮影
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 泣いたら勝ちという赤ちゃんの泣き相撲大会が2日、静岡県沼津市大塚の長興寺で開かれ、生後半年から1年半の約200人が土俵の上でにらめっこをした。澄まし顔の女の子や頰を軽くたたいても目を覚まさない男の子ーー。泣き出す子が少ない行司泣かせの取組が続き、赤ちゃんの仕草を見守る大人から笑い声が絶えなかった。

 参加した赤ちゃんは沼津市70人、静岡市18人、三島市と富士市がともに17人など。東京や神奈川などから県外からも15人が出場した。ベビー服に鉢巻き姿の豆力士は、ともに大相撲三段目の翔傑(伊豆市出身)、香富士(沼津市出身)らに抱っこされて参戦した。生後半年の長男・暖ちゃんを出場させた千葉県柏市の会社員、芹沢克也さん(32)は1993年に自身が出場した経験がある。暖ちゃんは出番が来ても眠ったままで親子2代で負けたという。「起きて勝ってほしかった。大会が続き、いつの日か孫も出場するようになれば」と話した。

 大会は健やかな成長を願って開かれ29回目。2020~22年は新型コロナのため中止となり、23年は参加人数を半分に減らしての開催で、通常開催は5年ぶりとなる。松下宗柏住職(75)は「新型コロナを経て『赤ちゃんたちに生まれてくれてありがとう』と感謝の思いを抱くようになった」としみじみ話した。【石川宏】

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