大阪地裁=大阪市北区

患者に挿入したワイヤを抜き忘れ、別の医師が抜いた際に死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた医師、鎌田振吉被告(76)の判決公判が15日、大阪地裁で開かれた。御山真理子裁判長は「基本的な手技を怠った過失は軽くない」として、禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)を言い渡した。

被告はワイヤの抜き忘れは認めたが、死亡との因果関係を否定し無罪を主張していた。

判決理由で御山裁判長は、エックス線撮影で異物を見つけていながら原因を特定し、取り去る義務を怠ったと指摘。こうした過失と死亡との因果関係を認めた上で、量刑については、ワイヤを抜いた医師が慎重さを欠いた点などを考慮した。

判決によると、平成29年11月、患者の静脈にカテーテルを挿入。誘導のために同時に挿入したワイヤを抜き忘れ、患者は翌年2月、転院後にカテーテルとワイヤを抜かれた際に心臓に穴があいて死亡した。

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