3月に通勤快速の廃止や快速の減便などを実施したJR京葉線のダイヤ改正問題で、JR東日本千葉支社は30日、9月1日から各駅停車の一部を快速に変更すると発表した。通勤客の利便性が低下したなどの批判に応えた形で、同支社は「(3月の改正前と)遜色のない速達性が実現できた」としている。
同支社によると、京葉線から内房、外房線に直通する各停4本(上下2本ずつ)を快速に変更する。上りは午前6時台の内房線・上総湊駅発と外房線・上総一ノ宮駅発の1本ずつ、下りが午後8時台に東京駅発の2本。平日上りの所要時間は3月までの通勤快速より4分増えるが、現行の各停に比べると10~15分短縮される。
また、午前10時~午後3時を除いて大幅に減った京葉線の快速についても、各停を快速に変更する形で一部復活させる。今回の変更で快速の本数は平日は現行の上下26本(3月ダイヤ改正前は通勤快速を含め59本)が33本、土休日は同49本(同89本)が61本となる。
また、3月ダイヤ改正の発表以降に同支社に約700件の意見が寄せられ、9割以上が改正に反対する内容だったという。土沢壇支社長は「(9月のダイヤ変更は)異例の対応ともいえるが、我々の考えが至らない点があった」と話した。
同社は昨年12月、混雑の平準化や各停の利便性の向上などを理由に、通勤快速と日中以外の快速を廃止すると発表。千葉市など沿線の一部自治体の首長や経済団体が反発。「沿線住民の生活や、経済活動に多大なる影響を及ぼす」などと再検討を求める声が相次いだ。これに対し、同社は平日と土休日の早朝の上りの快速2本の運行を継続させ、さらなる見直しに取り組むとしていた。【小林多美子】
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