福岡市早良区などで野生のサルが住民を襲う被害が相次いでいることを受け、県は29日、県庁で対策協議会の緊急会議を開いた。福岡市南部や那珂川市など油山周辺で地元住民や警察による見守り回数を増やすなど安全対策を強化することを決めた。
会議では県や県警、福岡市の担当者など約20人が今後の対応を協議。女性や子どもの被害が多いことから、児童生徒の登下校時間帯に住民や警察による見守り活動を強化し、県防犯情報配信システム「あんあんメール」を使ってサルの出没情報を配信するなど、県民への注意喚起も強化する方針を確認した。
近年、福岡市や隣接する那珂川市など複数の自治体でサルによる人的被害が相次いでいることから、県が4月に広域的な安全対策が必要として協議会を設置した。
県によると、県内では香春岳(香春町)周辺と福岡、佐賀県境の脊振山周辺に野生のサルが生息している。今後は協議会でサルが市街地に出没した際の県や市町村などの役割分担を明記したマニュアルを作成し、迅速に対応する体制を整えるという。
生嶋亮介副知事は会議で「市民をサルから守る、危害を加えさせないために何ができるかを考え、実行に移したい」と述べ、関係機関と連携しながら対策を急ぐ考えを示した。【城島勇人】
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