関西電力高浜原発の(左から)3号機、4号機=福井県高浜町で2023年11月2日、本社ヘリから北村隆夫撮影

 原子力規制委員会は29日、2025年に運転開始から40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について、最長20年の運転延長を認可した。40年超の運転が認められたのは全国7、8基目で、うち5基が関電の原発だ。

 3号機は25年1月、4号機は6月に運転開始から40年となる。関電は特別点検の結果、原子炉や格納容器などの重要設備の劣化具合に問題がないことを確認した。

 ただ3、4号機では、蒸気発生器の伝熱管に損傷が相次いで見つかっている。長期間の運転によるさびなどが原因とみられ、関電は26年度に全ての蒸気発生器を取り換える大規模な工事をする。

 今回は、東京電力福島第1原発事故後にできた旧制度に基づく認可。23年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が定める新制度では、60年を超えた原発も運転できる。このためには、新制度に基づく規制委と経済産業相の認可を改めて受ける必要がある。

 旧制度に基づく運転延長の認可は、関電高浜1、2号機▽関電美浜原発3号機(福井県)▽日本原子力発電東海第2原発(茨城県)▽九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)――が受けている。【高橋由衣】

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