献花式で悲しみを新たにする遺族ら=秋田県能代市で2024年5月26日、田村彦志撮影

 日本海中部地震(1983年)から41年となった26日、秋田県能代市で市総合防災訓練と献花式があった。訓練には約200人、献花式には約50人が参加し、防災への誓いを新たにした。

 訓練は、能代断層を震源とするマグニチュード(M)7・1の大地震が発生して多数の建物が倒壊し、暴風雨の中で避難指示が発令されたとの想定で行われた。

万一の事態に備え、実施された避難所開設訓練=秋田県能代市で2024年5月26日、田村彦志撮影

 市役所本庁舎では災害対策本部運用訓練が、市立第四小体育館などでは自主防災組織中心の避難所開設訓練や避難訓練がそれぞれ行われ、参加者は有事の際の対応を確認した。

 また、能代港の護岸工事などに従事していた港湾作業員ら36人の殉難者慰霊碑前では、市主催の献花式が営まれた。斉藤滋宣市長や、県内外から訪れた遺族らが次々と献花し、黙とうした。

 港湾作業員だった夫の年夫さん(当時47歳)を失った秋田県三種町の佐藤錤(しき)子さん(83)は、毎年欠かさず供養に訪れる一人。「当時は、まさか津波に襲われるとは思わなかった」と、日本海を前に振り返った。

献花式で悲しみを新たにする遺族ら=秋田県能代市で2024年5月26日、田村彦志撮影

 当時の地震はM7・7の規模で、午前11時59分に起きた。日本海沿岸の広範囲を津波が襲い、死者104人(うち秋田県内83人)のうち100人が津波による犠牲者だった。【田村彦志】

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