東吉祥院公園と代替公園

 住民らの広域避難場所だった公園を京都市が2023年11月に廃止したのは違法だとして、地元住民らが近く、市に処分の取り消しを求める訴えを京都地裁に起こす。市は公園近くなど4カ所の「代替公園」の整備を計画しているが、最大約6キロ離れた場所も含まれ、住民らは災害時に避難場所としての機能を損ねると訴えている。【水谷怜央那】

 市が廃止したのは東吉祥院公園(南区)。災害時には付近の住民約5000人の避難場所に指定されていた。市は都市公園法が定める廃止される公園に代わる代替公園を設置したとして、跡地には給食センターの建設を予定している。

 訴状によると、公園は1945年に整備され、63年から2023年までは市立塔南高校のグラウンドの一部として使われてきた。23年6月末に同校が移転すると、市は同11月末に公園の廃止を決定。市は検討していた給食センターの設置を同時期に決め、公園跡地を建設予定地に選んだ。

 市が約1万平方メートルあった公園の代替公園にしたのは、公園近くの元高校の敷地(約2100平方メートル)▽南岩本公園(南区、約3000平方メートル)▽伏見西部第四地区8号公園(伏見区、約4500平方メートル)▽桃山東第二地区4号公園(同、約500平方メートル)――。住民側は、元高校の敷地以外の公園は約3~6キロ離れており、災害時の避難場所にならない上、代替公園の要件になっている「近隣に居住する者が容易に利用できる」を満たしていないと主張。市は昨秋に説明会を開いたが、「一度のみの開催で、住民の意見を反映する手続きになっていない」などとして違法な処分だと訴えている。

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